第37回定期演奏会


1年合奏 TOP OF THE WORLD  作曲/BETTIS JOHN
70年代に大ヒットしたカーペンターズの有名な1曲です。 この曲は当初ヒットしなさそうだということでシングル候補から外されたのですが、 日本公演で大好評だったためシングルリリースしてみると、全米1位になったのでした。 原曲は、ギター・キーボード・ベース・ドラムという構成であり、また、アップテンポな曲です。

五 重 奏 紅の豚  作曲/久石 譲
紅の豚は、1920年代のイタリア、アドリア海を舞台に、魔法をかけられて豚となってしまった飛空艇乗りの活躍 を描いた作品で、大空へのロマンがぎゅうぎゅうにつまった宮崎監督の金字塔です。
この演奏会では、その映画中に出てくる曲の数々名曲を特別編集して、曲調も変化にとんだ曲となり、いっそう聞き応えのある曲となりました。 映画の途中アドリア海をバックに流れ始める美しいメロディの部分もあれば、イタリアの街角に吸い込まれて生きそうなどこかのどかな部分もあります。

三 重 奏 第三の男  作曲/アントン・カラス
ヱビスビールのCMやJP恵比寿駅の発車メロディーに起用され、一躍有名なった、この曲。味わい深いメロディーはアントン・カラスが弦楽器、ツィターによって奏でたものです。
元々は、「第三の男」という映画の登場人物ハリー・ライムのテーマとして作曲されたものです。 舞台は第二次世界大戦直後のオーストリア。四カ国(米英仏ソ)によって四分割統治される首都ウィーンの殺伐とした世相を背景とする陰影や構図を凝らした、サスペンス・スリラーの傑作。 光と影を効果的に用いた映像美、戦争の影を背負った人々の姿を巧みに描いた内容は高く評価されています。

四 重 奏 リベルタンゴ  作曲/アストル・ピアソラ
作曲者であるアストル・ピアソラは、アルゼンチン生まれの作曲家で、バンドネオン演奏者でもあります。彼はタンゴを元に、クラシック、ジャズの要素を融合させた 独自の演奏形態を生み出しました。「自由」を意味する「リベルタ」と「タンゴ」の造語からなる「リベルタンゴ」もそれまで伴奏音楽であったタンゴの様式にとらわれることなく、 自由な作品になっています。また、ウィスキーのCMに使われたこともあります。情熱的なタンゴのリズムの上を、疾走感のある哀愁漂うメロディーが流れていき、 とても聴き応えがある曲です。

四 重 奏 A・Furiosa  作曲/Paulo Bellinati
1950年ブラジルのSao Pauloで生まれたPaulo Bellinatiは、ブラジルでもっとも成功したといわれるギタリストの一人です。 Bellinatiは一流のギタリストであるとともに、作曲にも秀でており、彼の作った曲はJohn Williamsをはじめとした多くのギタリストによって惹かれています。 この今日も、Los Angeles Guitar QuartetのためにBellinatiが作曲した4重奏曲です。サンバを基調としたリズムが特徴的で、軽快なメロディーが とてもなじみやすい曲です。ちなみにタイトルのFuriosaとは、ポルトガル語で激しい、情熱的といった意味があります。

二 重 奏 朱色の塔  作曲/イサーク・アルベニス
アルベニスはスペインの国民派を代表する19世紀の作曲家兼ピアニストです。ピアノ曲が大半でギター曲は1曲も作っていませんが、 曲想が非常にギター的なのでギターに編曲することで一層スペインらしい雰囲気が出ます。「朱色の塔」は「性格的小品集」に収められていてる 12曲中に1曲で、ここに言う朱色の党とはグラナダにあるアルハンブラ宮殿の中に建っている塔のことだそうです。東洋的な旋律にのって スペイン情緒あふれる大変魅力的な作品に仕上がっています。

四 重 奏 Along the Edge  作曲/アンドリュー・ヨーク
この曲はLos Angeles Guitar Quartetのアンドリュー・ヨークが作曲したものであり、1995年に、中島晴美氏に献呈された「HARUMI」 の第二楽章です。「HARUMI]は全三楽章からなり、これらを総て演奏するために、中島氏を始めとした日本を代表する四人を集め、 「ギター四重奏団」が結成されました。静かなハーモニーが響く前半から盛り上がり、各パートの掛け合いが美しい中盤、 そしてまた四人のハーモニーで夢心地に終わっていく曲です。

全体合奏

暴れん坊将軍  作曲/菊池 俊輔
松平健主演の時代劇ドラマ「暴れん坊将軍」のオープニングテーマです。また、吉宗が悪を成敗する立ち回りで流れる曲でもあります。

アシタカせっ記  作曲/久石 譲
宮崎駿の大ヒットアニメ「もののけ姫」のエンドテロップで流れるこの曲。久石メロディーの壮大さと、日本的で力強い旋律が見事にもののけ姫の世界を表しています。

情熱大陸  作曲/葉加瀬 太郎
「情熱大陸」は同名テレビ番組のメインテーマとして親しまれ、"image"を始めとする多くのCDにも収録されており、葉加瀬太郎氏の代表曲といってもよいでしょう。 曲中にはラテンアメリカの様々な音楽的要素が織り込まれ、ギター合奏では原曲の雰囲気を失わないよう、パーカッションやリズムの変化など工夫を凝らしました。 この今日は"情熱大陸"という架空の大陸をイメージして作曲されています。賑やかで楽しくて、でもそれは酒場のようにひたすら快感を求めるようなものではなく、 生命の強さといったテーマすら感じる曲です。

スラヴ行進曲  作曲/チャイコフスキー
1786年、オスマン・トルコが周辺国からの開放宣言をしたバルカン半島の小国家セルビアとモンテネグロに対し、残虐な鎮圧を行ったことを憂いて、 ロシア国民の中には、同じスラヴ民族であるセルビア人を熱烈に支援する動きが生まれていた。その興奮は一向の冷めやらず、ついに翌年には、アレクサンドルⅡ世がオスマン・トルコ に対して宣戦布告をするところとなる。いわゆるロシア・トルコ戦争である。
そして、戦時下において、スラヴ慈善委員会の運動支援の一環で、愛国心を呼び起こすために作られたのが、この「スラヴ行進曲 作品31」である。 当時のロシア社会の気風に同調していたチャイコフスキーは、すぐに依頼を引き受け、わずか一週間で作品を完成させたという。
葬送曲風に暗く始まる主題から、3連符による動きのあるリズムが加わって、行進曲風へと変化し、クライマックスは圧倒的な迫力で終わります。